尾張七宝の始まりは、天保4年(1833年)に梶常吉が作り始めたと言われている。
常吉は名古屋末広町の骨董商松岡屋嘉兵衛の店先でオランダ船が運んできたという七宝焼きを見て、あまりの美しさに心を奪われた。それから、寝ても覚めても七宝焼のことを考えるようになり、焼物師である自分も七宝焼を作りたくなった。その想いを店主に話すと、あまりの熱意に店主は感心し、七宝焼きを常吉に譲り渡す。その後、研究熱心であった常吉は、何度も何度も仕事場で焼き物を焼き上げたり、良い土を使って試したりしたが、失敗ばかりが続いた。そんな時、何を思ったか大事な七宝焼をハンマーで叩き割ると、、、。
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