布に絵柄を描き上げる際に不可欠となるのが防染剤である。複数の色が互いに混合しないよう “壁”の役割を果たす糊状の粘液であり、布へ染色が定着した後に水で洗い流される。日本有数の手染めの鯉のぼり産地である尾張岩倉では、今日もなお、この糊落としの作業が五条川(天然河川)で行われて
おり、「のんぼり洗い」と呼ばれている。天然河川で糊落とし。
それでは落とされた糊はどこへ行くのか?環境汚染か?答えは、、、、
「五条川の鯉のエサとなる」である。ここで使われる防染剤は“米ぬか”
“もち米”“塩”など天然素材を調合して作られており、「鯉のぼりの糊がリアル鯉の食事になっている」というほほえましい連鎖を生みだしている。もし五条川で揺らめく鯉のぼりを見つけたなら、その周辺に“糊”目当てのリアル鯉がうろちょろしているだろう。
ちなみにこの防染剤、実は豆腐製造機で作られている。
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