ゴットフリード・ワグネル(Gottfried Wagener)。ドイツの化学者。
1868年,37歳の時に来日し,釉薬の開発や技術指導,ドイツ語の教師,
東京大学理学部の教官などを歴任,その間ひょんなことあって七宝焼きの研究に携わる。それまで七宝焼きには不透明の釉薬しかなく,そのため暗いトーンのものしか制作されてこなかった。そんななかワグネルが透明の釉薬の開発に成功し,鮮やかな色彩を表現することが可能となった。
この透明釉の開発で七宝焼きはその誕生から55年の時を経て,再び新たな命が吹き込まれることとなった。
その意味で彼の存在なくしては今日の鮮明な七宝焼きは存在しなかったであろう。日本の焼き物の近代化に多大な影響を与えた人物であり,日本をこよなく愛した。享年61歳,東京で生涯をとじる。温泉が好き。
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